2023年3月2日
2023年3月度の多摩市議会本会議にて、私は『フェアな市政の代表質問』を行いました。


質問内容


・多摩市の再生と多世代の交流

 市制施行 51 年が過ぎ、改めて思うのは、新しいまちをつくるのは市民と行政が主導権を握り魅力あるものにし、多世代が交流できる憩いの場とサービ スを現代のニーズにあった形で再構築することで、多摩市の持つポテンシャルをどのように引き出せるかが多摩市の再生への傍証となるということです。多摩ニュータウンは、UR 都市機構(旧日本住宅公団)と東京都により開発されたまちであります。
 多摩市の多摩ニュータウン再生 14 の取組方針について掲げられているのは、何を達成するために(目標)・いつまでに(期限)・どのようにして実現していくか(プロセス)を体系的に示すもので、取組み相互の関係性を整理することもできる再生の効果を最大限に発揮するには、取組みの足並みを揃え、有機的に連携していく視点が大切であると、ロードマップ上の短・中・長期で設定されています。この設定に合わせて現在進行しているのか、どのように進められているのか、以下質問いたします。


(1) 2050 年に向けた多摩市政の考え方について

 多摩市教育委員会では 2050 年の大人づくりをキャッチフレーズにESDを進めていますが、多摩市全体として行き当たりばったりではなく、2030年や2050年の多摩市の姿をどのように描くかは、今後の多摩市第六次総合計画や庁舎建て替えを構想する上で大変重要だと考えます。以下それぞれの課題について伺います。

① 2030 年までの多摩市政の柱となりうる政策の進捗と課題、具体的な成果指標や達成目標をどのようにとらえているのでしょうか。特に、重要な少子化対策や、カーボンニュートラル、多摩ニュータウンの再生、公共交通機関の利便性の向上について、ご見解を伺います。

② ①に対して 2030 年から 2050 年までの多摩市の衰退や発展をどのように考えるかは、今現在、どこに重点を置き、どこにお金をかけるかを考えることが重要だと思います。市制施行 51 年から次の 50 年を視野に入れたとき、2050年の多摩市の姿や街づくりの成果をどのように描いているか、その具体的な構想内容を伺います。

③ ②に対して、そこに至る課題はどのようなことが予想され、そのため今、多摩市が行わなければならないことと多摩市民(高齢層・中年層・若者層・子どもそれぞれに対して)に市長として期待していることはどのようなことでしょうか。理想論ではなく、できる限り具体的に阿部市長のお考えをお聞かせください。

④ 先日、全員協議会で多摩市役所本庁舎建替基本構想案について説明を受けました。DXの推進による庁舎の将来性については語られていましたが、街の将来性に対する観点からの言及は感じられず残念でした。駅前の出張所機能を高めることで、場所のアクセス性から市民サービスのアクセス性に視点を変えていくとのことですが、特に多摩センター出張所については、現在賃貸の場所ですが、その入居先の京王ショッピングセンターでは今後時期は未定ながら耐震工事も予定されると伺っています。耐震工事がなされる間の駅近の出張所はどうなっていくのでしょうか。本庁舎が駅近でなくとも良いとされる前提が崩れてしまわないでしょうか。どう効率的に市民の負担を最大限に抑えていくのでしょうか。

(2)多摩市の認知症に対する今後の対応について


多摩市の高齢化率は 2025 年には 30%に達すると言われ、人口数は横ばいで高齢者が急増すると、分析を行っています。そうした中、新薬の開発などのニュースもある一方で、今後も認知症になる市民は増加すると考えられま す。その問題点についてここで伺います。

① 日本の高度成長を支えてきた多摩ニュータウンの初期入所の市民は誰しも認知症になりうるリスクを不安に感じていると聞きます。健幸都市を自称する多摩市における認知症対策の現状分析や特徴、そして今後の具体的 な施策について伺います。

② 日医大多摩永山病院の移転問題が多摩市の施策や予算上の大きな課題になっています。多摩市の地域医療の重点として、増加することが予想される認知症について、専門の外来や予防的な脳ドックなど、多摩市民のニーズに沿った高度な医療拠点は必要だと感じています。そのため、日医大多摩永山病院が多摩市で存続する条件や予算についてはどのようなことが求められ、当該病院との交渉状況はどうなっているのか伺います。

③ 多摩市の団地で暮らす高齢者について、徘徊や孤独死などの問題は珍しくなくなっただけに深刻な問題です。健康であることは重要ですが、市民から「健康でなくなったときに多摩市はどうしてくれるのか」という声、また、「子ども•若者政策が進められるばかりで高齢者問題は放置されるのではないか」という不安の声も耳にします。特に認知症になった市民やその家族に対して、多摩市の具体的な取り組みと今後の課題や施策について 伺います。

④ 市制施行50年を経て、多摩市の都市計画についてどのように総括してますでしょうか。健幸都市の観点から現在の多摩市の都市計画に対する評価をされてますでしょうか。

(3)多摩市の環境政策と公共交通のあり方について


多摩市は他に先駆けて「気候非常事態宣言」を行った市ですが、これまで 多くの宣言や条例はその後の具体的な施策に結びついているかはっきりしていないと感じています。そうした現状を踏まえ、特に環境政策と公共交通に ついてここで伺います。

① 「気候非常事態宣言」後に行って効果が発揮されている政策について、具体的にその成果と今後の施策について伺います。特に阿部市長の関心の高い二酸化炭素の排出抑制とプラスチック海洋汚染の抑制、水素ゴミ収集 車、再生可能エネルギーの現状と課題についてのご認識を伺います。

② 多摩市では、これまで社会実験や試行として行われた様々な事業についてその後の導入に向けた具体的な動きや事業化に、これまでの社会実験や試行されたことが繋がったのかどうかの有無について伺います。また、国土交通省自動運転のバス・自動車や乗合タクシー、公民連携とエバンジェリストの育成、パークライフショー、河川敷の活用などについてもこれま での社会実験の成果と導入の実態について伺います。

③ 多摩市は主要駅から自宅の往復や買い物の移動手段に大きな課題があり、自家用車が欠かせないという方が少ない一方、それが環境に負荷を与える要因の一つでもあり、自動車免許返納後についても大きな課題となっています。多摩市の MaaS 導入の可能性と公共交通政策の考え方について、市長の見解を伺います。

(4)「多摩市子ども若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」の具体化について


全国的な少子化が深刻化する中で、「子育てを育てるまち」という何とも難解な言葉で多摩市のシティセールスが新宿駅などで展開されましたが、その間、近隣の町田市では 0歳~14歳の子どもの転入超過が全国第2位を記録し、ニュースや話題となっています。多摩市の今後重要な子育て政策について伺います。

① 多摩市は緑が多い、公園が多い、でもきちんと管理できていないというのは以前から言われているフレーズですが、「子育てを育てる」とは、多摩市が他に誇る子育て政策・環境とはそれぞれどのようなことであり、今後の政策として具体的にどのようなことを取り組むべきであると市長は考えているのか伺います。

② 日野市での子ども包括支援センター「みらいく」設置や子育て世代包括支援センター事業など、他の多摩地域でも効果的な子育て施策が行われており、多摩市においても子どもや子育て世代の包括的な支援の場を早く設置する必要があると考えます。すでに多摩市では近隣市の施設の見学なども行っているようですが、多摩市において、子どもや子育てを包括的に支援する拠点設置についての考え方を伺います。

③ ヤングケアラーや虐待など、子どもの未来や将来に多くの影響を与える事案の現状の推移や他地区との比較と今後の具体的な政策について考えていく上で、阿部市長はすでに直接そうした子どもたちや保護者などの声に 耳を傾け聴いていると思いますが、どのような要望や施策が求められているのか伺います。

(5)不登校児童生徒への速やかな対応について


不登校児童・生徒がこれまでにない人数になり、その総合的な対応が市政に求められています。調布市や世田谷区では不登校特例校が成果をあげつつあると聞きますが、多摩市の不登校への対応について以下伺います。

① 1 月に、多摩市教育委員会主催の「不登校に関する講演会」に参加し、講師の東京家政大学名誉教授の相馬誠一先生からも「一日も早く不登校特例校をつくるべき」というお話しがあり、その効果についても具体的な説明がありました。一方、多摩市は、不登校特例の開設直前でいったん立ち止まりましたが、その講演会ではその点について一切触れられることはありませんでした。一年以上も立ち止まったままフリーズしている理由がどこにあるのでしょうか。予算、場所、教育内容なのでしょうか、他に何か問題があるのか伺います。

② ゆうかり教室での指導がすばらしいと不登校の子どもがいる保護者からも聞くことがあります。教育長は草潤中学校を見学したと聞きます。また、岸田首相や小倉大臣は不登校特例校などを見学していると聞きます。阿部市長は、ゆうかり教室や他地区の不登校特例校を見学されましたでしょうか。見学されたのであればそのご感想を、見学されていなければ、不登校の現状を踏まえて多摩市の不登校児童生徒やその保護者への思いにつ いて、伺います。

③ 今回の施政方針には、不登校特例校について、記述が見られません。「多摩市子ども若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」を作っただけ では終わりではないと思いますが、阿部市長としては、選挙公約にしていたeスポーツができる不登校特例校について、施政方針に全く含まれていません。その理由について伺います。また、どんなコンセプトの不登校特 例校を多摩市教育委員会は作るべきだと考えているのか、市長からお考えを伺います。

(6)多摩市職員の服務の厳正について


今年度、度重なる市職員のわいせつ行為による事件が発生し、市民からの信用を失墜させたことは、まだ多くの人の記憶に新しいところです。再発防止を誓ったばかりで再び事件が起こり、その任を誰がどのように認識して何をどのように改めたのか、ここで伺います。

① わいせつ行為や盗撮などで多摩市職員が相次いで信用を失墜し、市の処分の発令は警察の取り調べ過程や起訴前であったことから、処分や措置の発表において、その後にわかった余罪や発表しなかった服務上の問題となる行為、また冤罪などがなかったのかの可能性について伺いたいと思います。また、同時に他にも処分等に当たる事件の発覚や今回同様のわいせつ行為や盗撮被害などがなかったのかを市はどのように確認し、その後の警察の取り調べや本人からの聞き取りなどで明らかになった事実はどんなことだったのかについても伺います。

② 多摩市は市制施行51年を迎えました。これまでの歴史の中で服務上の処分や措置を受けた後、当該職員が管理職を希望する場合、組織からの信頼を得る条件等はどのようになっているのでしょうか。

③ 職員逮捕後、市職員採用に当たって改善された点を具体的に伺います。

資料要求

① 赤道、青道の変遷がわかる一覧とその地図
② 職員研修の具体的な内容や回数とその成果

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